王室
王室紋章の銘“Dieu et mon droit”と“Honi soit qui mal y pense”の起源は何ですか?
“Dieu et mon droit”('God and my right'(神と我が正義)のフランス語)は君主の銘(motto)です。この言葉は国王リチャード一世が1198年にジゾーア(Gisors)の戦闘の前に選んだカウンターサイン(軍の合言葉)で、彼がフランスの家臣ではなく、その王権を神にのみ負っている者であることを意味しています。フランスはこの戦闘に破れましたが、この合言葉がイングランドの王室の銘として採用されたのはヘンリー六世の時代になってからで、その後、彼の後継者によって維持されてきました。この銘は王室紋章の盾の下に表示されています。
“Honi soit qui mal y pense”('Evil be to him who evil thinks'(思い邪なる者に災いあれ)のフランス語)は、王室紋章の盾のまわりを取り囲むガーターに表示されています。このガーターはガーター勲章― 女王が統治している騎士団の古代勲章― の象徴となっています。ガーター勲章はフランスとの百年戦争中の1348年にエドワード三世によって制定されました。
この銘はフランスの王座を要求する君主の主張を批判する者に向けられたと言ってよいかもしれません。しかし、チューダー王朝の年代記作者によって最初に記録された伝承によれば、この銘は1347年にカレーの占領を祝う祝宴で最初に使用されたということです。国王の女教師、ソールズベリー伯爵夫人がダンスの最中にガーターを落として廷臣たちからひやかされると、エドワードがさっと前に進み出て、自分の膝のまわりの青いリボンを結び、叱責としてこの銘を口にして、ガーターは間もなく最高の尊敬を得ることになるだろうと宣言した、ということです。