• 英国
  • 10:28 25 Nov 2009
  • |    東京
  • 19:28 25 Nov 2009

気候安全保障 (Climate Security)

英国は、気候変動を、世界の安全と安定への最も大きな潜在的脅威ととらえています。ただし、それは、従来の安全保障に代わる検討課題ではありません。むしろ、国家が既に取り組んでいる経済、貿易、保健衛生、貧困などの問題について、気候の安定をその前提条件ととらえるものです。

2007年4月17日、英国の主導によって、国連安全保障理事会において初めて気候変動に関する討議が行われました。会議の議長を務めたマーガレット・ベケット英外相(当時)は、気候変動は安全保障問題であるが、国家安全保障という狭義の問題ではなく、「壊れやすく相互依存性を高めている世界における、集団安全保障」の問題であると述べ、気候安全保障の概念を提示しました。

気候変動は、水不足や穀物収穫の減少、病気の蔓延や大規模な移民など、既存の問題や摩擦による負荷を倍増させます。そしていまや相互依存の関係にある地球上では、ひとつの地域の不安定要素がその地域のみに留まることは稀で、より広範囲に影響を及ぼします。 .こうした負荷が加わることで、脆弱な国家は内乱や混乱に陥るリスクが高まります。また、不安定な気候は、現在リスクのない国をも徐々に危険な状況に追い込んでいきます。気候が悪化すれば破綻する国が増え、私たちが紛争防止やテロ対策を講じて実現したいと願っている全てのことに影響します。つまり、気候変動に取り組むことは、紛争や不安定な状態の増大・悪化の根底にある不安要素を取り除くことにもつながるのです。

私たちは気候変動を、環境に対する長期的脅威としてではなく、私たちの安全と繁栄に対する差し迫った脅威として考える必要があります。そしてどんな代償を払おうとも、低炭素世界経済を早急に構築し、安定した気候を確保しなければなりません。安定した気候を確保できないために支払わなくてはならない代償の方が、はるかに大きいからです。

気候変動のリスクを減少させるために、英国はその原因である温室効果ガスの排出削減に努め、低炭素社会への移行に力を注いでいます。また、英国は、気候変動法などの立法によって、これらの取り組みの成果を保障しています。




役立つリンク

気候安全保障に関する国連安全保障理事会の発表

トップに戻る