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スターン・レビュー 「気候変動と経済」

Stern Review logo2006年10月30日に発表されたスターン・レビューは、ゴードン・ブラウン財務大臣(当時。現首相)の委託により、当時の経済担当政府特別顧問で世界銀行元チーフ・エコノミストのニコラス・スターン卿がまとめた、気候変動の経済学に関するこれまでで最も包括的な研究です。

スターン・レビューによると、すべての国が気候変動による影響を受けるものの、真っ先に最大の影響を被るのは最貧国です。気候変動の勢いを弱めなければ、平均気温は産業革命以前の水準から5℃以上も上昇する危険があります。このような変化は地球の自然地理だけでなく、私たちがどこでどのように生きるかという人文地理までも一変させることになります。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2001年に行った科学評価に基づいて、その影響のコストを狭い範囲で合計した結果、スターン・レビューは、気候変動の影響がこのまま続けば、毎年少なくとも世界GDPの5%の損失に相当すると計算しています。さらに、最近の科学的証拠(例えば、永久凍土の融解にともなって温室効果ガスが自然に放出される危険)や、人々の生活と環境への経済的影響、そして貧困層に及ぼす影響を適切に比較考察するモデリング方法についても、スターン・レビューは検討しています。そして、以上を総合すると、気候変動の被害による影響は世界のGDPの20%以上に相当しかねないと推定しています。

これに対して、気候変動による最悪の影響を避けるための温室効果ガスの排出削減にかかるコストは、年間、世界のGDPの約1%に抑えることができます。炭素集約度の高い商品は少し高くつくことになりますが、経済は力強く成長を続けることができるでしょう。経済変革ために、スターン・レビューは次の4つの分野において政府が国内政策を策定すべきであると勧告しています。

  • 税金、取引、規制を通じて炭素に価格をつける
  • 公共投資の拡大などを通じて革新的な技術を生み出す
  • 行動変化に対する障壁を取り除く(例:規制、情報、教育を通じて)
  • 避けられない気候変動に適応するための措置を講じる

もっとも、気候変動に取り組むためには国内的な行動だけでは十分ではなく、国際的なアプローチも不可欠です。

 

【ニコラス・スターン卿 略歴】

1946年4月22日生。英国ケンブリッジ大学で数学を専攻、オックスフォード大学で経済学博士を取得。2007年よりロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授。

2003年から2007年まで、トニー・ブレア首相の任命により気候変動・開発における経済担当政府特別顧問として地球温暖化の影響を科学データや経済モデルを用いて分析し、2006年に「スターン・レビュー」として報告。英国財務省入省前は、2000年から2003年まで、世界銀行に上級副総裁兼開発経済担当チーフ・エコノミストとして在籍。

スターン卿は、(財)旭硝子財団「ブループラネット賞」の2009年(第18回)受賞者に選ばれました。「ブループラネット賞」は、地球環境問題の解決に関して著しい貢献をした個人、または組織に対して贈られるものです。




お問い合わせ先

英国の気候変動とエネルギー政策については、環境・エネルギー部までお問い合わせください。

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