ビルマにおける人権
ビルマは、現在も世界の最貧国の一つであり、基本的権利が欠如していることや、民主主義への前進が未だに実現していないことから、様々な人道的課題に直面しています。
1962年以降、軍事政権がビルマを統治しています。1988年には、民主化を求める抗議行動が軍隊によって残忍に押しつぶされました。何千人ものデモ参加者が殺されたのです。1990年に全国的な選挙が実施され、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧倒的多数を獲得して勝利しましたが、政権はこの結果を無視しました。
以降、軍事政権は、「民主化に向けた7段階のロードマップ(行程表)」を遂行しました。2008年5月、新憲法に関する国民投票が行われ、2010年に選挙を実施する予定です。しかし、そのプロセスは、反対勢力やエスニック・グループを排除して軍隊の力を広範囲に維持するなど、軍事政権による統治を強固に守ることを目的としているように見えます。
アウン・サン・スー・チー氏の自宅軟禁は、現在も続いています。過去19年間で13年以上、軟禁下に置かれています。
アウン・サン・スー・チー氏を支持
2009年5月27日、アウン・サン・スー・チー氏は、自宅軟禁から解放されるはずでした。ゴードン・ブラウン首相とデイビッド・ミリバンド外相は、彼女の解放を求める“64 for Suu キャンペーン”を支持しています。
www.64forSuu.org にアクセスすると、ゴードン・ブラウン首相の支援メッセージをご覧頂くことができます。皆さんも、是非、メッセージを寄せて下さい。また、このサイトから、キャンペーンの詳細についても知ることができます。
英国とビルマ
英国は、長年にわたり、ビルマにおける政治犯全員の解放、民主主義への確かな移行、人権の尊重に向け努力してきました。
2007年秋、平和的な抗議に容赦のない厳しい取り締まりが行われたのに対し、国連安保理は、前進に向けた3つの明確な要求を示しました。
- 政治犯全員の解放
- 現政権、反対勢力、エスニック・グループによる確かな対話の開始
- 国連への全面的な協力
ビルマの現状に関する詳細は、英国外務省の2008年版人権に関する年次報告書[英語, PDF, 5.73MB, 194 pages]に掲載されています。
今、懸念されること
国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏は、2009年5月14日(木)の朝、彼女が拘禁されている場所に一人の人間が侵入したのをうけ、自宅軟禁の条件に違反したとして逮捕されました。
国際社会は広く、スー・チー氏の逮捕を非難しています。私たちは、ビルマの指導者達に対して、このような逆効果を招く措置を後退させ、アウン・サン・スー・チー氏と他の政治犯を解放して、ビルマを安定と繁栄の道へと導くよう強く求めています。政治犯がこのように拘束されたままでは、2010年の選挙の信頼性はないと考えます。
政治犯の拘束
現在も、2,100人以上の政治犯が拘束されていると思われます。 現政権は、拘束されている人々について、正確な詳細に関する要求を全て拒否しており、赤十字国際委員会も、2005年以降、政治犯との面会を許されていません。
少数民族に対する差別
ビルマの少数民族や宗教グループの多くは、その独自の文化や言語が保護、尊重されず、また、仏教以外の宗教を信奉することができないなど、差別を受けています。
ビルマの西部では、イスラム系ロヒンギャ族が、旅行、結婚、仕事、勉強、食糧の入手、信仰などの自由について、様々な制約に直面しています。
カレン州では、ビルマ軍の軍事行動により、多くの村が破壊され、国内で相当の人数が退去を迫られました。
英国政府は、ビルマ政権に対して、ビルマ問題の恒久的な解決の鍵として、少数民族の政治プロセスへの全面的、且つ、公正な参加の必要性を常に強調してきました。
人道支援の提供
2008年5月2日、サイクロン・ナルギスが、イラワジ川デルタ地帯とラングーンをひどく破壊した結果、およそ130,000人が死亡し、更に何千人もが、住居、土地、食糧、収入を失いました。支援活動に対する英国国際開発省(DFID)の4、500万ポンドの拠出は、援助国の中でも最も規模の大きなものの一つとなりました。英国外務省及び国際開発省の活動の詳細については、英国外務省サイトの「Cyclone Nargis: one year on」をご覧ください。
サイクロン・ナルギス後に提供された、支援活動に対する4、500万ポンドに加え、 最近、DFIDは、今後二年間、ビルマの人々に対する人道支援を毎年1,000万ポンドづつ増額すると発表しました。具体的には、2009年から2010年にかけて2,500万ポンド、翌年は2,800万ポンドとなります。この資金は、マラリア、結核、HIV/AIDSなど死に至る病気との戦いに主に充てられ、農村地域の貧しい家族が収入を得る能力を強化し、タイのビルマ人難民や、ビルマの紛争で退去させられた他の人々への支援に向けられます。